千葉県は、新しい時代の地層によって覆われている平野で、しかもマグマからできた火成岩がほとんどみられないため、変化が少なくて地層見学にはつまらないと思うかも知れないが、新生代の地層を観察するには絶好の場所なのだ。
銚子の犬吠テラスの展望テラスで海を見ながらの青いティー。これに朝プレート、安くて気が利いている。地層めぐりのスタート地点で、洒落たいい朝を迎える。さあ地層巡り、行くぞ!
①銚子の犬吠埼
銚子の犬岩でみられるのがジュラ紀(2億年前)にできた付加体で、千葉県で最も古い地層である。北西の関東山地から続く関東大地の基盤の東端がここ銚子のみ露出しているのだ。次いで古い1億2000万年前の白亜紀の地層(銚子層群)が犬吠埼で見られる。銚子だけ押し上げられているのだ。前弧海盆という凹んだ《お椀》の端はここでしか見られない。白亜紀浅海堆積物(国指定天然記念物)
②銚子の屏風ヶ浦
南西側の海岸には、なんと10Kmにわたって35〜50mの高さの美しい縞模様の海食崖が続く。確かに延々と連なる屏風絵のような絶景だ。イギリスのドーバー海峡の石灰岩の白い断崖と比べて「東洋のドーバー」といわれる。《お椀》に関東山地から流れ出る土砂が流れ込んだ第三紀後期鮮新世〜第四紀中期更新世(300万年〜10万年前)に堆積してできた上総層群の東の端である。関東ローム層や断層も姿をくっきりと見せてくれる。
銚子から九十九里ビーチラインを通っていすみ市へ
海風が強く大きな海原を眺める余裕はほぼない (笑)
③上総丘陵の砂岩泥岩互層(いすみ市)
丘の上の文化センターへ上がる道の両側の崖が縞模様が際立っている。千葉は何げなく360度地層だらけなのだ。この縞模様は乱泥流堆積物(タービダイト)といい、約100万年前、砂泥層が海底地滑りなどで,斜面を滑り降りて粒の大きい砂が先に堆積しその上に泥が堆積して出来る。
最終地点の勝浦へ
④勝浦鵜原の黒滝不整合
崖まで行くのに立ち入り禁止の立て札が並ぶ。地元の漁師さんの仕事場なのだろう。網の修理をしていた漁師さんに断って奥に入ったが、本来は潮が引く時に、回り込んで崖の反対側からこの不整合が見えるようだ。溺れたくないのでこの日はここまで。またの機会に(笑)
三浦層群とその上の上総層群の二つの地層の間に房総半島を東西に横断する大きな不整合が存在する。不整合とは、何かの地殻変動があり、地層が継続してつくられることができなかったことを意味する。この鵜原の不整合では時間にして100〜150万年前の時間の欠如があったことが観察され、この間隙に一体何があったのかはいずれ解き明かされるであろう。
勝浦で、少し遅い昼ご飯に小料理屋で地魚の《ずけ丼》を頂く。板前の親爺と接客のお母ちゃんが盛んに夫婦喧嘩していて流れ弾に被弾したか、愛想は今ひとつだったが……味は旨かった〜。笑
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