テスト攻略法?
その1

     ある人ががこんな意味のことを語っていた。正月特訓の帰り道、たまたま聴いたラジオ番組だ。
「テストの攻略法って、《できる問題を確実にして、難しいまたは手間がかかりそうな問題は後回しする》ということ。テストの難関を見事にくぐり抜けた〝優秀な〝エリートたちは、極力面倒な問題には手をつけないということを是として生きてきた。だから手間のかかる、しかし手間さえかければ確実に解決できる事案は、ずっとないがしろにされ、誰も手をつけない未解決の問題となる。」

   彼は、日本とアメリカとの安全保障条約の中の地位協定の改定を提案し続けている。日本にとって不利極まりない、そして世界の中でも稀有な権利格差の条約、これを解消できる方法は必ずあるという。ただ、それをする政治家も官僚も誰もいないと嘆くのだ。うがった見方をすれば、それは効率悪い事案で、出世に関係ないからとも言える。

  極論だが、一理ある。心にささる意見だった。受け止め方によっては、官僚への皮肉、ある意味、教育や受験体制そのものへの批判であるかも知れない。そして世の親、私たち教育従事者たちに対する問題提起、ひいては効率を優先してきた「時代」に対しての真っ向勝負だ。                                                  
                  面倒なことはやりたくないし、やらない

                            そんな風潮はますます強くなっている。

     私は受験勉強を通じて、何を伝え、どんな人間を、人材を送り出そうとしているか‥‥‥。

   (元・沖縄タイムス記者で、ジャーナリストの渡辺豪さんの放送を聴いて)

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