フィレンツェルネッサンスを代表する画家 ボッティチェリ(1445/45〜1510) 《プリマヴェーラ(春)》や《ヴィーナス誕生》など優雅で美しい聖母の神話的な絵や祭壇画で知られている。莫大な財産をもつフィレンツェの支配者メディチ家をパトロンとして才能を発揮し、フィレンツェの盛衰と運命をともにした。8才年下のレオナルドダヴィンチとは有名なヴェロッキオの工房の同門で、レオナルドはやがてミラノを拠点とし《最後の晩餐》などを残す
陰影の天才といわれるダヴィンチ 線の詩人と謳われるボッティチェリ
実際に、この絵《書斎の聖アウグスティヌス》を観た時、漫画の原画のように感じた。神秘に打たれた神学者 聖アウグスティヌスの驚き(?)の顔が、漫画調に誇張されている。興味深く背景を観ると、日時計、天球儀とともに何やら開いた書物が‥‥。
数学者ユークリッド(エウクライデス)(B.C300年頃)著作の「原論」が広げて置いてあるようだ。 ルネッサンスならではの「科学と宗教の融合」を読み取ることができる。
聖人が驚愕している意味、この絵の宗教的意味はさておき(いいのかな (笑))開いているページに、「三平方の定理」らしきが書いてある(?)のが気になった。誰でも中学校の数学でやるあれ。
この開いたページには、一部まったく数学とは関係のない「アルティーノ修道士はどこだ。彼は逃げた。どこへ行ったのか。プタトー門から外へ。」と書いてあるらしい。ボッティチェリがシャレで書いたようで、特に暗号ではないようだが、ダヴィンチ・コードならぬボッティチェリ・コードか。
2016年 春 日伊国交樹立150年記念として ボッティチェリ展(都美術館)
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