とりあえず zoom out (ズームアウト)
「《教える》ということではそれほど変わらないけれども、生徒の反応を確認するのには、通信する時間の差もあり、(zoomだと)無理があるんですよ。二人くらいまでの指導であれば、それほど差違は目立たない感じですが、それ以上の人数の指導では(普通の授業より効率は下がります。」(T先生)
S先生「(zoomだと)授業がどんどん進むことができるんですよ。ふだんの(通塾)授業より、1.5倍の速さでしょうか。とりあえずストップをかけたくらいです。笑」
H先生「先生、それは先生の雑談の時間が減ったからではないですか? 笑」
S先生「やはり顔(表情)をみながらとは違いますね」
「(zoomでは)進むことはできますが、生徒とのやりとりができず、定着しているかとても疑問です。説明する、生徒を指しながら確認を深めていく、それをもとに演習する、それを机間巡視で確認していく、そんな教室での当たり前の営みが十分機能しません。せいぜい70%程度に効率が下がる感覚ですね。」(Y先生)
以上は教える側の率直な意見です。生徒の側も様々な意見があると思います。「zoomの方がいい!」という生徒もいるかもしれませんね。
どうやらzoomを 使ったリモート授業は過大評価はできません。一方的に知識を伝えることはできても、それがしっかり定着したことを確認するのは難しいツールです。〈一方通行の授業〉は可能ですが、〈実力をつける授業〉はzoomのようなツールにはまかせられません。このことは将来のAIとの共存のあり方にも示唆を与えます。AIを考えることは、反対に人と人との認知の仕方やコミュニケーションの在り方を考えることだからです。
しかし今までお話ししてきたことは、〈教室での授業〉の代替としてのzoomの効率を評価したもので、zoom単独での、いやリモートで何ができるかということや、他のデジタル的な〈何か〉について私たちは引き続き考えていく必要があります。
とりあえず今は、アナログ最強説すなわち〈授業がイチバン〉としておきます。 笑