アニメ週間?‥‥。

   ふだんはアニメとあまり縁がない。誰かが「刀剣乱舞」が面白いとか、「第3のギデオン」でフランス革命をもっと知ろうとか、そう思って見たり読んだりはするが、まったく続いたためしがない。映画「君の名」は、観た人みんな口をそろえて「よかった」というので、土曜の深夜、仕事の帰りにレイトショーで観た。いつもそうだが、1週間の疲れも沈殿し、 猛烈な睡魔の中での鑑賞だ。私の映画の評価基準は、どれだけ寝ないで観ていられた時間の合計を数値化すればいいくらいだ。(笑)

    面白かった。寝なかった。ーーーーでも3日くらいで、少しずつ身体から記憶が蒸発していく。

   翌々週、「この世界の片隅に」を 観た。予備知識なく行ったので、映画が始まってから、これがアニメ映画だと気づいたくらいだ。「君の名は」に比べてだいぶん穏やかなトーンであるが、どんどん引き込まれていった。時代の中で、その時代を受け入れて、普通に生きた《すず》、(ふつうの)生活を見せらたから、かえってズシッと率直に受け止めねばならない。天真爛漫で呑気ともいえた彼女のやり場のない怒りは、ある意味で女性 の解放そして戦争に対する憎悪の爆裂の瞬間を垣間見たかのようにも思える。原作は《こうの史代》さんの白黒の漫画だが、それに色がつき、そして《のん》の声が入る‥‥ モノクロ の無声映画から、トーキー、そしてテクニカラーの時代へ、映画の歴史をたどるように感動も増幅する。

       私が、アニメで感動したのが、もう一つある。《今日マチ子》さんの「cocoon」(コクーン)だ。沖縄戦のときの女学校生IMG_1089[159](JK?)の日常を描いている。時代を、そして、たとえば目の前のウジがわく傷痍兵や友だちの死という現実をありのまま受け入れる純粋さと、勁さ‥切なく美しいアニメだった。舞台では《藤田貴大》さんの演出が際立つ作品となっている。

LINEで送る

記事にコメントする

内容をご確認のうえ、送信ボタンを押してください。